●四年間を終えて
5番勝負。今でもその一コマ一コマが鮮明に思い浮かばれ、その度に私の心臓が高鳴る。リーグ戦の5番勝負に立つ機会に、私は数多く恵まれたと思う。数少ない栄光と、一生消えることのないだろう苦い記憶。けれども、これからもう二度と経験することのないあの張り詰めた空気がたまらなく好きであり、美しくさえ思う。
学生生活最後の入れ替え戦5番勝負。結果を出すことはできなかったが、そこで私はこれが自分のプレースタイルだと言える試合ができたと思う。私はかつてないほど声を張り上げ、喜びを精一杯表現した。今、濱田監督に言われたことを思い出す。「喜怒哀楽の『怒』だけは表現してはならない。喜びは表現してもいいものなんだ」と。長い間、コート上で自分がどう感情を表現していいのか分からず葛藤していた。冷静にプレーをするスタイルに憧れてもいたからだ。チームメートにも何度となく練習への取り組み方を注意された。今思えばその言葉をありがたく思うし、また声を掛けてあげられなかったペアに対して申し訳ないことをしたと思う。最後の最後に、私は求められてきた姿勢をチームメートに示すことができたと思う。そしてこれが葛藤の中で出した私の結論だ。ここまで私を導いてくれた濱田監督やチームメート、その他大勢の人たちに感謝したい。
卒部を迎えて私は切実に思う。早大軟庭部で4年間を過ごせて本当に幸せだった。日本一きれいなテニスコート、学生を温かく支えてくださるOBの方々の存在、そして私たちと人間として正面から向き合ってくれた濱田監督。これだけ恵まれた環境で大好きなテニスを思い切りやらせてもらえたことは、私にとってかけがえのない、大きな財産となった。おそらく人間としてこれほど学べる場所は他にないのではないだろうか?
チームメートにも恵まれた。ガン打ちでハチャメチャな上妻、少し抜けているところがあるけど負けん気の強い澤田、私と試合する時は涼しい顔をしてクロスボレーばかり出てくる高橋、誰よりも勝ちにこだわってがむしゃらすぎる畠山。そんな4人だけれども、この4人と一緒に4年間を過ごす事ができて本当に良かった。出会えたすべての人に感謝!!
●4年間で一番感動したこと
2年の時、ある試合で情けないプレーをした自分を、瀬戸さんが見捨てずに叱ってくれた事。
●好きな言葉
諦めは敗北以下
●尊敬する人
山森 誠二先生(高校の恩師)
●今後の人生への抱負
早大軟庭部で培ったものを忘れずにこれからもソフトテニスを続けていきたい。
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