凡人日記。
長神宮と神保町と中国をこよなく愛する、
すでに凡人ではないの学生さんの、本人曰く「凡人日記。」


Vol.5
-<東京六大学野球観戦日記・その4>-


対東大戦の敗北により崖っぷちへと追いつめられた
早稲田大学野球部の次の相手は立教大学である。

立大生の人たちには悪いが、
立教は六大学の中ではあまり強いとはいえないチームである。
優勝回数は11回と、早稲田・慶応・法政・明治などと
比べるとかなり少ない。

東大と最下位争いをすることもしばしばある。
したがって本来ならわが早稲田の方が絶対強い
ハズなのだが、なにしろ今の早稲田には勢いというもの
がまるでない。
「このままどこにも勝てないまま終わって
しまうのではないか」
そんな重苦しい雰囲気が漂っている。
(ように僕にはみえた)

しかし対立教1回戦において、早大ナインはそんな雰囲気を
一挙に吹き飛ばしてくれた。
2番セカンド寺嶋の先制ホームランをきっかけに、
早大打線は久々に大爆発。大量9点をもぎとった。

また先発藤井のピッチングもすばらしく、9対1で圧勝
したのである。残念なことに僕はこの日ゼミの合宿があったため
試合を見に行けなかった。
なんで僕がいない日にかぎってこんな
すばらしい試合になるんだー!!。

ところが翌日、
早大打線はまたいつものように重症の「点とれない
病」にかかってしまい、0対1で敗れ、
勝ち点の行方は3回戦にもちこされた。

最下位にならないためにはなんとしても
この3回戦に勝利し勝ち点をもぎ取らねばならない。

この試合は11時開始であったが、僕はこの日
午前中は授業があった。
僕は基本的にどんな時も授業を最優先すること
にしているので、授業にはちゃんと出てその後球場へ直行した。
切符を買って中へ入り、
「どうか大差で負けたりしていませんように」
と祈りながら恐る恐るスコアボードを見た。
2対1、
勝っているではないか!僕は大喜びした。

試合は8回裏、早稲田の攻撃の最中だった。
この試合早稲田は、先制されはしたがすかさず
反撃して2点を取り、その後はエース藤井が立教打線を
抑えていた。

8回裏の早稲田の攻撃は無得点に終わり、
9回表立教の攻撃が始まった。
ここを抑えれば勝利である。
ところが立教が必死の反撃をし同点に追いつかれて
しまったのである。
「今日もまた負けてしまうのでは?」

そんないやーな雰囲気が漂いはじめた。しかし
9回裏、早稲田は一死満塁という大チャンスを作った。
ここで1番中西が早稲田を救う、
英雄的なサヨナラヒットをかっ飛ばしたのである。

センター前へ抜ける、
本当にきれいなすばらしいヒットだった。
このヒット、
「最下位なんかになってたまるか、俺たちは早稲田だ!!」
という野球部員全員の魂が乗り移った
ヒットであるように僕には見えた。

早大応援席は狂喜乱舞した。
応援部員の中には感動で泣いている人もいた。

こうして対立教戦は感動のうちに幕を閉じた。
その後立教は東大から勝ち点を取り、
また東大は法政に勝ち点を落とし、早稲田・立教・東大
が勝ち点1でならぶ形となったが
勝率の関係で早稲田は、最後の早慶戦を待たずに
今季の4位が確定した。最下位を免れたのである。
(次回に続く)



1999-12-23-TUE



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1998-11-28  vol.4 - 東京六大学野球観戦日記・その3 -
1998-11-22  vol.3 - 東京六大学野球観戦日記・その2 -
1998-11-16  vol.2 - 東京六大学野球観戦日記・その1 -
1998-11-07  vol.1 - 音楽。 -