> 大浦さん(S54卒)
 > 山下さん(S59卒)
 > 堀本さん(H14卒)
 > 福田さん(H12卒)
特別寄稿/2002秋季リーグ入替戦 最新更新日時 2002-11-11 10:36


【早稲田大学】   【青山学院大学】
鈴木・毛利 2− 渡部・丹治
田中・呑海 2− 石野・新谷
石川哲蔵 −1 林千博
森元・影山 −2 谷津・佐川
佐々木・伊藤 4− 金ヶ崎・沼野



大浦善朗(S54卒) = 文
text by Y.Oura

5番勝負ファイナルで青山学院に敗退し、ベンチに引き上げる早稲田のメンバー。


54年の大浦です。観戦記を書くように依頼されたものの非常に困りました。次から は勝った感動を皆様にお伝えしたいです。その方が得意なのですが・・・
詳細にあるように最終戦までもつれゲームカウント4−3の3−0までいきました。 誰もが一瞬、残留できそうだと思いました。そうなると技術とかでなく、本当に気持 ちの持ち方一つです。そしてあと1本の難しさに泣いた結果になりました。現役の全 員がそう感じていたことでしょう。最近私は毎週のようにコートでみんなの練習を見 ています。それだけに残念でなりません。これが全員で出した結果ですから素直に受 け止めて来春には一部に復帰しインカレを狙って欲しいと思います。
以下は余談になりますが、現役の皆さんはOBの方の話や、早関戦などの観戦記など も観てくれているのでしょうか?そして何度も書きますが先日の中山・浜田VS隠岐 ・小野寺の試合をどう観てましたか?と。だれも2バウンドするまでボールを追うこ とを止めなかったし、うまいだけでなくボールに対する執念というかそんなものを感 じ取ってくれたと思っていましたが。もちろん技術的にも素晴らしいけどそれ以外の ところを観て考えて欲しいです。
練習を見ていて思っていたことは、練習のための練習に見えて仕方ないのです。私が 現役1年のときの時に野口さんによく言われたことですが、「いつも試合の時の気持 ちで練習を〜」という言葉が頭から離れません。中山さん、津久井さんの隣で試合を 観て・・・終わったときに振り返ってみたら野口さんがいました。
以降、負けた時の観戦記は無しにしましょう。






山下晴海(S59卒) = 文
text by Harumi Yamashita


この日は二つの大一番を見るために都内への電車に乗りました
一つは早稲田の入替戦、 もう一つは長年サポートしてきた浦和レッズのナビスコカップ決勝です
結果は御承知の通りです(悔しいですが)
とても残念だと思う、できれば両方勝ちたかったけど 後ろ向いてもしかたが無いし、前向きに考えようと思っています
黄金時代の前にはどん底が有るものですからね
選手を信じて結果を待つしかないんですよね

“俺達”にできる事ってなんだろう
試合会場では声を出し、選手を鼓舞し、後押しするしかないんですよね
その声が伝わろうが、伝わらないだろうが関係無くね
私、反省しております
淡々と他人事のように試合を見ておりました(気持ちが入ってなかったです)
佐々木が伊藤が0−3で、マッチポイントを取った時
大声をあげて声を掛けてあげられなかった自分が悔しいですわ
「佐々木!ぶっつけちまえ!!」「伊藤!振り切れ!!」
大声で言えなかった自分が悔しいです
選手がもっと自信を持って戦える気持ちの後押しが出来なかったのが悔しいです

これからもコートに行くだろうし、一緒に練習もさせてもらうけど
気持ちを入れ替えて行くつもりです(ちょっとは気合入れて行きます)
俺達OBは何しにコートに行くのか?自問自答しております
OBとしてなにが出来るのか?
学生はOBに何を望むのか?
コートで結果出すのは現役なんですけどね
コートに顔を出せるOBとして自分は何をすべきなのか?
卒業して20年近く経ちますが負けて悔しいのはOBになっても変わらないですわ
ホントにいろいろと考えてしまいます(なにも出来ないのですがね)

入替戦でワセダが敗れた当日、浦和レッズもヤマザキナビスコカップ決勝で敗戦を喫した(写真はナビスコ杯でニューヒーロー賞を受賞した坪井選手)


私、選手達を身近に感じ、同じ気持ちで戦い、 選手と苦しみや喜びを共有する感覚を間違いなく掴んでいる
この感覚を持ってるチームが早稲田大学軟式庭球部&浦和レッズなんですねぇ (一緒にしてゴメンなさい、でも好きなんだもん)

今回の2部落ちを目の当たりにして、俺もいろいろと反省しております
もっともっとOBとして最高のサポートができるように精進します
俺なりに頑張りますわ

最後に
全国のOBの皆様、コートに行って現役を励ましてやって下さい
お願いします
いつでも何処でも、近くにいても遠くにいても「思いは一つ」ですから





堀本慎平(H14卒) = 文
text by Shinpei Horimoto


5番勝負、ゲームカウント4−3とリードした8ゲーム目、2連続ポイントして歓喜する早稲田ベンチ。


 まだ、非常に未熟な身でありますが、書かせていただきます。
 まずは残念でした。非常に惜しい試合を落とし、結果としては最悪なことになった、と感じます。
 とは言っても昨年の春(私の代)のように、明らかな自力負けではない、つまりがっぷり互角の試合であったと思います。それが「何の差で負けたのか」と考えたとき、最後に「執念」あるいはもっと簡単に言えば「気持ち」の差であったと感じます。
確かに、0-2からの早稲田の2本はすばらしいテニスに見えたし、それまでの2本、あるいは最後の1本に関しても、決して、「完全な」悪いテニスはしてなかったと思えました。最初の2本(鈴木・毛利、田中・呑海)に関しては、完全に流れの差だったと思います。結果として自分のほうにきていた流れを掴みきれなかったり、あるいはうまく先に流れを掴まれたりして取れなかったと思います。ただし、完全には相手のペースを作らせませんでした。シングルスの石川に関してはほとんどいうことはないのですが、あえて言うならばもっとあっさり勝てなかったかな・・・と感じました。4本目(森元・影山)に関しては、本当にいいテニスをしていたと思います。最後まで気持ちが切れず、自らがいい流れを作っていたと思います。5本目(佐々木・伊藤)に関しても、(マッチを取るまでは)プレッシャーの仲でも気持ちを持続していいテニスをしていたと思います。お互いによくラケットが振れていました。マッチを取ってからは、残念でしたが・・・。
ダブルスに関して特化すれば、後衛(鈴木、田中、森元、佐々木)に関しては単純なミスはリーグよりも少なかったと思うし、足もよく動いていました。前衛(毛利、呑海、影山、伊藤)もリーグのときに比べれば格段に質の高いプレイが目立っていたと思います。そしてベンチに関しても、リーグと時よりも、選手とのグルーヴ感みたいなものがあったように感じました。
しかし、勝ちが見ええたとき(具体的に言えば5本目のG3-4の0−3のマッチポイント)で、まず何を考えたのか・・・ということではなかったかと思います。もちろん、選手だけではなく、ベンチにいる一人ひとりが、次にすべきことを考えるべきであったということだと思います。また最後の場面にしても同じようなことがいえると思います。「最後の一本の難しさ」はなんとも形容できませんが、その難しさにないたといえるのではないでしょうか・・・。
しかしながら、リーグの状況を考えると、よくぞここまでまとまったな、と感じる部分がありました。はっきりいって、予定通りに行われていたら・・・と考えると、もっと絶望的な結果になっていたような気がします。(リーグからこの状態が出ていれば入替戦はなかったかも・・・)
いずれにしても、2部に降格してしまいましたが、はっきり言って1部との差は小さいと思います。多くの選手は高い技術を持っていることは明らかです。この入替戦の内容に関しては、多くの課題と、多くはないけれどもいくつかの収穫があったように思います。この教訓をばねに現役のかたがたには今後の成長を期待したいと思います。
2002.11.5 堀本慎平







福田大輔(H12卒)= 文
text by Daisuke Fukuda


  身震いするくらいの緊張感が好きだ。
それは何事にも変えられない純粋な思いがぶつけられている場面であったり、誰かの人生のハイライトであることが多いからだ。一瞬の澱みで全てが崩れ去ってしまいそうな、僕を惹きつけてやまない張り詰めた危うい空気。

休日には下北沢まで演劇をよく見に行く。
ほんの50人も入らないような小劇場で、まだ無名の役者たちが 自らに科せられた役柄を演じている。失敗をすれば何度でも撮り 直しのきくTVのドラマとは違う、明らかな緊張空間。そして技術の集約 がそこには、ある。
観客は息を潜め、彼らの魂の芝居に見入り、役者たちの背中を押す。
映画館よりちょっと多めのお金を払えば、そんな場に立ち会える。

5は勝負のエール交換時。5番目の後衛は4年の佐々木。エールは4年主務の上妻が行った。


僕はまた、出身高校テニス部の合宿には有給をとって必ず参加している。
母校は創立100周年を迎えた伝統校、軟式テニス部も100周 年だ。いろいろ議論はあるけど、古い伝統が部にも残っている。 それは、誰に強制されるわけではなく、高校生たち自信の手によ って引き継がれてきているものだ。
伝統からくるちょっとした理不尽さもあいまって、練習にはかなりの緊張感がある。 そういう合宿・練習だからこそ、それを乗り越えた時には何かを得たり、大きな感動が生まれる(と思っている)。 自分が所属していたころとは多少カタチは変われど、そんな合宿にこれからも参加するつもりだ。

早稲田の軟式庭球部の団体戦を見るのも、もちろん大好きだ。
うまいとか、下手とかを超えた、4年生の・キャプテンの・下級生 たちの思いのぎっしりと詰まった「ハレ」の場を見れるからだ。 そこには危ういが緊張感たっぷり。何にもしてやれないのだけれど、 「頑張れ」と心のなかで叫んでいる自分がいる。

そんな大好きなワセダが入替戦と聞いて、僕は中央大学テニスコー トへ向かった。

試合開始9:00のちょっと前、8:30に会場についたので ワセダの学生たちが練習をしているのを見ていた。 が、そこに僕が期待した緊張感はなかった。あったのかもしれない が、それは入替戦の大一番をむかえる直前の「それ」ではなかった。 ただ一箇所、新キャプテンの石川と4年佐々 木の乱打を除いては。でも、それを打ち消してしまうくらい、コー トサイドで練習を見守る者たちの表情は、ワセダのメンバーとして 入替戦に望む一員のものには僕にはとても見えなかった。
例え試合に出なくても、サポーターとして、選手のちょっとした 調子の良し悪しを見定め、試合ギリギリまでケアしてやろうと いう感。
そういう感は僕には感じられなかった。とても残念だったし、 正直、そこで僕の気持ちは途切れてしまった。

果たして、ワセダは2部に降格した。

いい試合もあった。
競ったためか、応援もそれなりに盛り上がっていた。
でも、、、、。

最近あるOBの先輩がこんなことをおっしゃっていた。

「昔はコートに行くのにね、高田馬場の駅を降りて、歩いていく時 に、自分自身がコートに入る心構えと言うか気持ちを作って行かな いとコートに入れなかった。
最近は俺も年取ったからかも知れないけどコートに行くのに緊張感 が無いんだよね。もっとピリピリと張り詰めた雰囲気が有ったと記 憶しているんだけどね」

4年間の学生生活の大部分をかけ、テニスに打ち込む。
ここで燃えないで、いつ燃えるのか。
自分が本当に懸けているものであれば、その対象には簡単な 気持ちでは絶対に臨めないはずだ。同期の高見は大久保テニスコートを サンクチュアリ(聖域)に例えた(入部式の文章)。
学生のみんなは、そんな言葉を聞いてどんな風に感じるんだろう。

カッコ悪くてもいい。熱き思いが結集されたワセダの団体戦をもう一度見たい。





>>このページに関する感想・入替戦を終えての現役へのメッセージ等をお寄せください。お問い合わせフォームもしくは平成12年卒福田(df@fywg.com)までお送りください。