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 稲門軟式庭球クラブ理事長 柴崎健一=文 text by Kenichi Shibasaki
春季合宿も無事に終わり今年も新しいシーズンの幕開けの時期が参りました。今年は新入生男子7名、女子9名という近年にない多くの入部となり喜ばしい限りです。特に女子9名入部は特筆ものと思います。(これで喜んではいられません、毎年継続させねばと考えております。)今年度は以前にも増して活気ずくものと期待しております。コート開きに当たり一言ご挨拶申し上げます。 新入生に 早稲田大学入学本当におめでとうございます。又軟式庭球部への入部、謹んで歓迎致します。早稲田大学軟式庭球部は学生自身が運営する自主独立の部です。自戒三徹をよく理解して下さい。一人の部員である前に一人の学生として、きちんと生活して下さい。学生の本分を全うしてこその部活動ですので、この点充分認識をお願い致します。学生らしく創意工夫の上、集中した練習をし学生1を目指すチームの一員として頑張って下さい。期待しております。 部全体に 久々に大勢の新入生を迎え一日一日の努力を惜しまず日本一のチームを目指し頑張って下さい。プレーだけでなくすべての面で大学1を目指して下さい。部員全員の力を一つにし早稲田らしく最後まであきらめないプレーを期待致します。フレーフレー早稲田!
本日(入部式当日)は大変大勢の先輩方にご参加いただきまして有難うございました。厚くお礼申し上げます。 |
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 今年は例年に比べ、多くの新入部員が入部の宣誓を行った。特に女子部員の多さには驚いた。実は私が1996年4月に入部した時も、男子9名、女子5名が今回と同じように入部の宣誓を行っている。その後、男子の方は退部した者、また途中から入部した者がいたが、最終的には入部当初と同じ男女14名が軟式庭球部を卒部していった。私が4年間部活を続けてこられたのも、多くの同期達に支えられた部分が大きく、引退した今でも皆かけがえのない仲間達である。今年の新入部員達にとっても、多くの仲間がいることは大きな励みとなるに違いない。 いよいよ新入部員にとっては、大学の部活動がスタートすることとなる。高校までの部活動は顧問の先生がほぼフルタイムで指導にあたり、極端に言うならば顧問の先生の指示に従って練習に打ち込んできたものと予想される。しかし、大学の部活動、そして早稲田大学軟式庭球部は、そういった高校の部活動とは若干異なるといってよい。平日は部員が自主的に練習を行い、土・日の合同練習でもキャプテンを中心に練習を組み立て、監督もフルタイムで指導するわけではない。すなわち、全ては部員1人1人に任されているのである。言ってしまえば、普段は自分で自由に練習ができるのである。 さて、「自由に練習できる」ということ、これを新入部員の方々にはよく考えてもらいたい。「自由」とは、心地よく聞こえるかもしれない。平日は特に練習を強制されることもなく、5時を過ぎれば自由に練習を切り上げることもできる。午後から授業のある社会科学部の場合は、授業の前に練習することになるが、実質的な練習時間は昼から始めれば2時間弱位であろうか(あくまで私が現役の時の話なので今は変わっているかもしれないが)。極端に言えば、楽をしようと思えばいくらでも楽をすることができる。そして部活が終わった後は、自分の大学生活として有意義に時間を過ごすことが可能なのだ。 しかし、「自由」である反面、高校までのように顧問の先生が常に指導してくれるわけではない。平常練習については、上級生も強制的に練習を仕切るわけではない。全ては自分の責任となる。「自主性に任されること」、これは、実は個々に対して大きなプレッシャーとなって圧し掛かってくる意味を持つことに注意してほしい。もし楽ばかりしていれば、おのずと技術は停滞していくかもしれないが、そうなっても全ては自分の責任なのだ。新入生は平常練習をしていく中で、この「自由」の重さに気づくことができるだろうか。 「自主性」という面についていえば、現役の頃、あるOBがこんなことを言っていた。「ゲームが終わると、決まりきったように部員は監督、もしくはOBの前にいって「お願いします」と言って言葉をもらおうとする。パターン化している!本来ならば、「自分は今のゲームでこのように考えて展開していたが、この点が疑問である」とか、「自分はあのポイントでこうした狙いでポーチにいったが、その狙いは正しかったのか?」といったように、部員の方で疑問があったら聞きにいくというのが学生のレベルだ」、と。結局現役時代の私はこうした意識を貫徹することはできず、実際監督からのアドバイスで局面を打開するような選手だったので偉そうなことはいえないが、このOBの言葉は、学生スポーツたるもの「頭を使い、自主的に行うもの」であるべきという意識を表現しているといえるだろう。 ここまでは部活動のことばかりを述べているが、無論テニスだけの大学生活で終わらしてはつまらない。大学4年間は、人間的に大きく成長するためのかけがえのないチャンスの宝庫である
。私は文学部で日本史を研究する欲に強くかられ、現在も大学院で勉強を続けている。自分の将来のきっかけを見つけることも十分可能である。精一杯大学生活を謳歌してもらいたい。 ただし、部活に取り組む時、すなわちテニスコートに足を踏み入れた瞬間からは、「テニス道」に邁進してもらいたい。要はメリハリであろう。私は、早稲田の大久保テニスコートは、ある意味で「サンクチュアリ(聖域)」であると自覚している。その意識は引退しても変わらない。今でもテニスコートに近づくにつれ、何ともいえない緊張感が体にみなぎるのを感じるものである。決してテニスコートを、そして早稲田大学軟式庭球部を踏みにじる行為だけはしてほしくない。
最後にありきたりだが、これから4年間、辛い事、苦しい事に必ず直面するだろう。でも決して逃げてはならない。私は今でも3年秋に青学とやった入替戦と4年春のリーグ戦については、ある悔いが残っている(詳細は伏せておくことにするが)。この後悔は卒部して3年が経とうとしている今でも私の頭から消えることはない。今でも春・秋のリーグの時期になると、当時の記憶が鮮明に蘇るのである。後でどんなに後悔しても遅いのだから、決して困難から逃げず、正面から立ち向かってほしい。そして「早稲田」の精神を受け継いでいってほしいと思う。
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