Vol.2
-愛人 -ラマン-
M氏は、私の事を周りに紹介してくれるときなどに いつも、 「愛人-ラマン-という映画の役の中の子と、雰囲気 がとても似ている。」 と言います。私もその映画は大好きで、何度も観て いるので、いやでは無いけれど、どういう意味なの かしら。
M氏は、とても優しくて頭のいい人で、周りを不快に させるところを見たことがありません。情け深くて、 だから私が会いたいと言えば、会ってはくれるのです が、そんな8月末くらいのこと、2週間ぶりくらいに M氏と会ったとき、とーっても冷たくされて、私は なぜか異常に悲しくて、家に帰ってから大泣きをしま した。そんなことは初めてでした。
そのとき、フッと愛人-ラマン-の映画を思い出しました。
その映画は、15歳の少女があるお金持ちの青年の 愛人になるというストーリーなのですが、その少女は、 自分は別に彼の事を好きなわけではないと思っていた けれど、最後に彼と別れてしまってから初めて、自分は 彼の事を愛していたと気付く切ない切ないお話なのです。
そして不思議なことに私も、それと同じように、ダメに なってしまってから、初めて彼への想いを自覚したの でした。
よく恋愛は、『おして、ひく』のがコツだと言うけれど、 私なんてまさしくそれに見事にやられていまいました。 ......もっとも彼は、計画的にやった訳ではないのだけれど。
続く
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